限定LINE「言語化ワーク」のまとめ

先日の限定LINEで行った言語化ワークのうち、秀逸なものを僕のコメント付きで1日1つずつご紹介します。

「泣いても密着!アイライナー」Nさまの言語化

「ヒロインメイク」というブランド名にふさわしいベルばら風のキャラクターの女性が泣いているのがまず最初に目を引く。
全体的にヒロインの女性が引き立つゴールドの枠やバラ、ダイヤモンドで装飾し、高級感を出している。

色もはっきりしたピンク、黄色、ブルーなどを使用し、にぎやかなお化粧品売り場においてもパッと目立つデザインになっている。

「泣いても密着!アイライナー」というキャッチコピーを一番目立つ場所に大きく配置し、「ウォータープルーフ」はブルーで、「長時間にじまない」は黄色で目立たせるなど、化粧崩れしがちなアイライナーが落ちないことを、このコピーと泣いている女性のデザインで一番大きくアピールしている。

「掟 涙にぬれても美しくなくては。」という文言に思わずくすっと笑ってしまう要素も取り入れ、一度は手に取って試してみたくなるデザインになっていると思う。

「掟 涙にぬれても美しくなくては。」

めちゃくちゃ秀逸なコピーですねこれ。イラストやパッケージデザインと相まって、非常にクオリティの高い世界観を構築している。昭和・大正レトロ風なのもおしゃれ。

このベルばら的なイラストに、20代前後の女性がどういう反応をするのか見てみたいと思う。結構好意的に受け取られてるんだろうな。

「化粧をしたまま泣く」というシチュエーションがあるとしたら、ターゲットは恋愛に溺れてる高校生~30くらいまでかなと思いますが、デザイン的にはそれより上の世代まで、世代を問わず使われてそう。

男はあまり踏み込む機会のない領域なので、こうじっくりデザインを見てみると、とても勉強になります。

「WONDA Morning Shot」Tさまの言語化

おっしゃる通りのターゲティングでしょうね。「すっと飲めて、キリッと苦味」のコピーもなかなか効いています。僕はコーヒーはブラック派なのですが、これは無糖ではなさそうですね。(調べたらBLACKっていう黒ラベルの別商品がありました)


ワンダが「朝」に注目している理由は? 「モーニングショット」は2002年に発売しました。 当時、ビジネスパーソンのコーヒーを飲む習慣を調査した結果、朝の通勤途中や朝のデスクなど、 朝によく飲むという飲用実態 が明らかになりました。 そこで「朝」というコンセプトを徹底的に追求した商品を作ることにしました。


これは「シチュエーションの絞り込み」ですね。

下剋上では専門分野を決めることで、「ターゲット」を絞り込みましたが、この商品は「朝に飲むコーヒー」というシチュエーションでの絞り込みを行っています。

市場で自分の場所を確保することを「ポジショニング」といいますが、昼や夜を潔く捨てて、「朝のコーヒー」としてのポジションを狙った戦略ですね。2002年からのロングセラーであれば、この戦略がばっちりハマって大当たりしたのでしょう。

朝、消費者はどんなコーヒーを飲みたいだろう。目覚めの赤、気合を入れて、頭をスッキリさせて一日に臨む。「シチュエーションで絞る」戦略の威力がわかる好例です。

WEBデザイナーも、シチュエーションでターゲットを絞ることができます。


例えば
「お金が無くても大丈夫!月額1,000円から作れるWEBサイト」
「24時間以内にサイトがほしい!超お急ぎ対応ホームページ」

こういうポジションが空いてれば、攻め込む余地はありますね。全てアイディア次第。

「Cava」Kさまの言語化

「サバ缶」と聞いて想像するデザインとは全く予想がつかない斬新なデザイン。

普通は海の写真だったり、美味しそうな油がのったサバの写真やブランドサバの名前をのせて気を引かせることを想像するのに、わからなさすぎて中身が気になる。

缶詰めコーナーに他のサバ缶と並んでいるのを見ると、異色な雰囲気を放っている。
サバの水煮の「和」のイメージがなくオシャレで可愛い

cava?はどんな意味だろう?
サバとかけて何か意味を持っているんだろうな。

気を引かせる思い切ったデザイン

ライバル商品はどんなだろうと思って「サバ缶」で検索してみました。

なるほど、たしかに異質 笑

パッケージだけ見ると、カルディに売ってる海外輸入の商品っぽいのですが、岩手の純国産というのもびっくりです。かなり攻めたマーケティング部がいるのでしょう。


「Ça va(サヴァ)?缶」は「(一社)東の食の会」と岩手県釜石市に工場をもつ「岩手缶詰(株)」と「岩手県産(株)」によって、東日本大震災で衰退した被災地三陸からオリジナルブランドの加工品を発信しようと、国産サバを使用したオリジナルの洋風缶詰として誕生しました。

「Ça va?(サヴァ)?」はフランス語『元気ですか?』という意味。

「元気ですか?」と岩手から全国へ向けて声をかけるイメージで名づけられました。


東日本大震災の被災地岩手から、フランス語で「元気ですか?」というメッセージ。

こういうデザインになったコンセプト、背景を知ると、買って応援してみたくなりますよね。

「感情的価値」に訴求できています。


もっとこのコンセプトは強くラベルでPRしてもいいんじゃないかな、とは思います。調べないとわからないっていうのは奥ゆかしくていかにも日本人らしいですが 笑

「バファリンプレミアム」Yさまの言語化

パッケージのメインカラーである青は、信頼や誠実と言った印象を与える色。薬は口にいれて体に何かしらの効果を与えるものなので、見た目で安心感を訴えることはとても重要です。

若者から高齢者まで誰でも手に取りやすいように、商品名の総称である「Bufferin」には癖のないサンセリフ体を使用。

また通常版(バファリンA)よりも効果が上であることが一目で分かるように「PREMIUM」のフォントを高級感のあるセリフ体、さらにフォント色やラインはゴールドで強調しています。

右側にあるワープのような円は即効性をより分かりやすく表現したものであり、一刻も早く痛みを和らげたい人に向けた視覚的訴求です。

この言語化も非常にうまく、よく観察されていると思います。こんなにマジマジとバファリンのパッケージなんて見たことないですよね 笑

補足すると、セリフ体、サンセリフ体とは、日本語フォントでいうところのセリフ=明朝体、サンセリフ=ゴシック体ですね。
セリフっていうのは文字の角の「ヒゲのような尖った飾り」のことです。それがないものがサンセリフですね。PREMIUMの文字は尖ってるからセリフです。知らない方は覚えておきましょう。

「スプラトゥーン3」Sさまの言語化

青と黄色の対照色2色を使用した独自のキャラクターで、この商品のワクワクするような世界を現している。
また、淡い青緑がアクセントカラーとして少しだけ使用されており、2色だけでは物足りない部分を補っている。

タイトルロゴはポップな文字で立体感があり、文字ロゴの背景に黒を敷くことでよりタイトルを目立たせている。

登場するキャラクターの一部を取り入れた文字のロゴからもこの商品の楽しい世界観を現している。

人気ゲームのパッケージデザインですね。スプラトゥーンは、1作めから本当にハイセンスなデザインです。音楽もめっちゃおしゃれなんですよ。

こちらは「世界観・キャラクターデザイン」という別の要素も絡んでくるのですが、こういうプロダクトからも「色彩」は学べます。

コバルトブルー?紫に近い青ですが、黄色とは補色の関係にあります。

これをほとんど5:5で使用し、さらに原色に近い彩度にすることで、ビビットでポップな印象を与えることに成功しています。


補色というのは、通常CTAに使われるケースが多いです。片方をメインカラーにして9割、残りの1割をその補色とすると、補色を使った部分を強く目立たせることができるのですが、5:5で使うとまた違った効果を出すことができますね。

「スミミネラルハミガキ」Hさまの言語化

炭歯みがき粉のパッケージです。

炭をイメージさせる黒色のメインカラー、ほかの歯みがき粉は白やブルーを使っていて大きく差別化する

ボーダーは竹炭なので竹(竹)の節(と呼ぶのでしょうか?)をイメージ

炭の漢字は炭のゴツゴツ感と昔の文字の雰囲気で、昔から体によいと言われていて伝統がある→安心して使える感

商品名のスミミネラルハミガキは全体的に高級感のあるデザインの中にゴシック体を入れる事で読みやすさと、毎日使う物なので親しみやすさもでる

黒ベースに落ち着いた赤のポイントで竹炭の和の雰囲気をだしている

言語化楽しいです

見事な言語化なので、特に補足すべきところがありません 笑

泥とか炭とか、昔の価値観で考えるとあまり綺麗とはいい難いものが、美容や健康に活用され始めて久しいですが、炭の商品は大体「黒」がベースになっていますね。

競合を少し調べたところ、こんな商品もありました。こちらは「美白スミガキ」。

ピンクが入ること、「美白」のキーワードで、明らかに女性にターゲットを限定させています。
どちらが先かは知りませんが、男女兼用で誰でも使えるスミミネラルハミガキに対して、こちらは「ターゲットを絞ってポジションを取る」というわかりやすい事例ですね。

「綾鷹」Mさまの言語化

緑のラベルでお茶とすぐわかる色合いなのと、香り立つ旨みがやわらかい明朝体でかかれており、急須で淹れたお茶のイメージで茶葉の香りだったりを連想させる。

綾鷹の文字も普通の緑じゃなくて茶葉の写真をくり抜いたようなイメージで、ここでも茶葉を連想されて味わい深いイメージになってる

パッケージの色合いもハッパの模様が入っていてやさしくて丁寧なデザイン

宇治茶舗のロゴも、緑の補色は赤なので非常に目立ちますね。

一番下の「Authentic Green Tea」を調べてみたのですが、オーセンティックは「本物、正真正銘の」というような意味らしく、海外の人に対してさり気なく「自分がペット緑茶のナンバーワンだ」と主張しているのがいいですね。

こういうラベルは実はマイナーチェンジを繰り返していて、「香り立つ旨み」のコピーは以前はなかったようです。

メーカーの販促部が、こうやって様々なラベルデザインを採用することでABテストを繰り返し、売上向上を目的に日夜マーケティングを行っているのでしょうね。

「アサヒスーパードゥルルルァァイ」Yさまの言語化

全体の色をシルバーとし、高級感と洗練され都会的なイメージを打ち出し、ブランディングを図っている。
基本色は黒で、わずかな差し色も赤一色のみとすることで、その赤で書かれた「super DRY」「スーパードライ」を一層強調することに成功しており、キリッと辛口な飲み口であることのアピールに一役買っていると言えるだろう。
また、japan brand、karakuchiという言葉や、よく見ると辛口という日本語を英語で表現するメッセージも添えられており、ハイネケンなどの海外ビールではあまり感じられない辛口さを売りに海外顧客を取り込むことを視野に入れている点にも注目できる。

なるほど、アサヒスーパードゥルルルァァイ(譲れない)のラベルにはこんな意図が・・・僕もこれよく飲みますが、まじまじと見たことがありませんでした!

補足するなら、「生」の一文字を中央に置いて、周りを英文で折り返す文字組みも、なかなか思いつかない斬新なデザインだと思います。これも一種のタイポグラフィーですね。

あと、「Asahi」が一番大きな文字なのも意図を考えると面白いですよね! 「スーパードライ」が商品名で、Asahiは社名だと思うんですが、社名をブランディングしてるんですね。

KIRIN一番搾りとかもそうですよね。そう言えば新聞なども社名で呼びますね。「読売」とか「朝日」とか。深堀りしてみると面白いかも知れません。

「ちょこあ~んぱん」Tさまの言語化

全体の色はオレンジ色。「キャラメルミルク」の色でありながら、優しい甘さを表現している。

前面に描かれたおじさんの絵は、いかにも町のパン屋さん、という雰囲気がしており、馴染みやすさを演出している。

そして、そのおじさんが焼いたパン、というイメージで、実際のお菓子の写真を載せており、食欲をそそる。

基本的に子供向けのお菓子であるため、「チョコあ~んぱん」という文字は、子供に選ばれやすいように、丸みのあるゴシック体を使い、柔らかさを表現している。

また、この商品名もこどもが読みやすいように、カタカナと平仮名の表記のみになっている。

背景には、味のイメージができるように、キャラメルソースが掛かったミルクのソフトクリームの画像を載せている。

「ミルクのあま~いしあわせ!」というセリフにより、子供にも味が伝わりやすい。

差し色は青と紺ですね。オレンジに合う色としては黒白のモノトーン以外にはカーキなどがありますが、青はオレンジに対する補色なので非常に目立ち、アピールしたいポイントの部分に使うといいですね。

※補色とは、互いの色を最も目立たせる色の組み合わせのこと。

「濃いめのレモンサワー」Aさまの言語化

全体的に素晴らしいのですが、特にいい点は、色がもたらす心理効果までしっかり深掘りしてできているところ。なぜその色を使っているのか。

紺=休息モード・副交感神経を優位にする

色彩心理学で、ブルー・紺系には確かにこのような効果があります。

これらは、「色のもたらす心理効果」をしっかり勉強していないと出てこない情報ですよね。

イチの言語化例題

クリアなラベルは水の透明感。雪化粧をしたアルプスっぽい山のイラストは、驚くほど冷たい湧き水や、ミネラルが豊富な天然水を想起させています。

添えられた緑や花のイラストは、ブルー一色に対するアクセントで、デザインのクオリティを高めています。

紺色の「天然水」のロゴは、筆文字を使って機械工業と対照的な「天然」「自然」をイメージさせています。これがゴシック体や明朝体では「人工物感」が出て、商品の魅力を伝えきれないでしょう。

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